富山県の信号機
可動橋にある赤黄赤(ダブル赤点灯)


最終更新:2023年11月1日

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富山県/黒部市/生地四十物町/(生地中橋)
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富山県黒部市の黒部漁港に架かる可動橋である生地中橋用の信号機です。橋を潜ることのできない漁船が通行する際に橋が動いて、船を通行できるような仕組みになっている橋梁です。橋が動いているときは当然道路は通行できないため、それを知らせるために橋の前後に信号機が設置されております。可動橋自体全国でも非常に珍しいものですが、この生地中橋の前後にある信号機は特に非常に面白いです。まずここで紹介するのは生地中橋の前後にある信号機2基で、灯器の種類は小糸の樹脂丸型(縦)となっています。配列は赤黄赤となっており、通常は黄が点滅していますが、橋が動いて通行できなくなるとなんとこの灯器の上下の赤が点灯します!ダブルで赤が点灯するのは非常にインパクトがあります。そもそも赤が同時に2つ点灯する赤黄赤自体ここと群馬県桐生市でしか現在は確認されていません(そもそも縦型の赤黄赤の下赤や横型の赤黄赤の左赤点灯自体現在ではあまり残っていない)。しかも群馬県桐生市のものは常時赤がダブルで点滅しているの対して、ここのものは赤が点滅ではなく点灯するのでよりインパクトがあります。さて、ここからが本題で、先述の通り橋が動かない限り、基本的には黄が点滅しています。つまり船が来て橋が動かないとダブル赤点灯は見られないわけです。ここが意外にハードルが高い。橋自体は毎日動いているようですし、漁港にある橋なので船の往来自体は少なくありません。ただ船が動いても橋を潜れる高さの船は悠々と橋の下を潜っていきます。つまり、橋を潜れない船が通行するのを待たなくてはいけない、かつ漁船は未明に出て撮影に不向きであることを考慮すると、ある程度大きな釣り船が橋を通過するのを待たないといけないわけです。無謀な挑戦が始まりました(謎)。まずこのダブル赤点灯を挑戦しに行ったのは2015年まで遡ります。2015年9月5日(土)の16:30-18:30の2時間待機しましたが、動かず涙を呑みました。6年後の2021年9月24日(金)再度挑戦し、6:50-9:10、15:50-17:30に待機するも駄目。この時は朝まず生地中橋に行き、有峰林道や立山町・滑川市の信号機ネタを回収した後わざわざ戻ってきたのにそれでも駄目でした。そもそも富山県自体北海道から行くのは時間的・経済的に正直容易ではなく結局動かなかったときの疲労感・絶望感は並大抵のものではありませんでした。来年の北陸新幹線敦賀延伸に合わせて今度はのんびり1日橋で待機しようかなと呑気なことを考えていると、twitterで生地中橋の信号機の更新の入札が入ったという情報が飛び込んできました。これは是が非でも急ぎで行かなくては思い、来る2023年10月14日(土)、朝4時55分から待機。前日には橋の管理事務所の方に明日橋は動きそうかを尋ねており、事務所の方曰く間違いなく何度かは動かすと。5時41分に遂に橋が動き、ダブル赤点灯を初めて見ることができました!その後5:57、6:06、6:58にも橋は動いたものの、この日は朝方曇っており、納得のいく撮影にはならず。橋の管理事務所の方に聞くと釣り船はだいたい6時間程度で戻ってくるということでその情報を頼りに1回橋を後にし、他の信号機を撮影して、11時ころに戻ってきました。南向きの灯器のほうが順光となり、ここでダブル赤点灯すれば最高という状況の中、11時35分に再び橋が動き出しました!その後も12:02、13:09と2回橋は動き計3回分ダブル赤点灯する樹脂を撮影することができました。しっかり北向きの灯器のほうも撮影でき大満足で生地中橋を後にしました。 橋の管理事務所の方の証言も加味し、再考すると、釣り船が早朝出て昼ころに戻ってくるというサイクルを考えれば、待つべきだったのは11時〜13時ころということになるかもしれません。また平日であれば通勤・通学時間帯はなるべく交通に支障をきたすため、橋を動かさないという方針もあるようです(7時半〜8時半あたりか)。またこれも大きな勘違いでしたが、昼に橋が動くのを狙うのであれば、平日よりもむしろ土日のほうが一般客向けの釣り船が出るので、ねらい目を言えそうです。平日でなければと勝手に思い込んでいたのは間違いでした。 2015年、2021年の2度の挑戦ではこのあたりのことを知らなかったのが敗因です。ただ船自体天候が悪いとそもそも出発しない、その日によって船の出るタイミングがまちまちであるなどなかなか難しいのも間違いありません。これほど合計待機時間、そして目的の撮影(ダブル赤点灯)に行き着くのが長かった現場は他にないでしょう(3回挑戦、2015年9月5日に2時間、2021年9月24日に4時間、2023年10月14日には4:55-7:10、10:50-13:15の4時間40分の合計10時間40分の滞在) とはいえ、多い日では1日20回程度は動かしているという生地中橋。 気になるのはこの更新後です。もしこの配列のまま低コスト灯器に更新となるのであれば必ずやまた挑戦しなくてはなりません。まだまだ生地中橋への挑戦は続くのです。何はともあれダブル赤点灯の樹脂が撮影できて本当に久々に信号機撮影で感動しました。橋の管理事務所の方は大変親切な方でこのお方のお陰でちゃんと撮影できました。また現地ではおらしさん、らいとさん、Shunさんにお会いし、喜びを分かち合いました(?)。その他、入札前滑り込みで多数の信号機マニアが訪れているようです。橋が動いた瞬間、思わず「あっ!!!!きたぁあああ!」と叫び、走り回って撮影したのが忘れられません。因みに後々振り返ると、全景の写真含めちゃんと橋が動いたことがわかる写真がほとんどありませんでした。まあそれだけ信号灯器を撮影するのに集中していたということでしょう(苦笑)
灯器は2基とも平成3年製です。また船が通行する水路(?)側には2灯が設置されており、そちらは京三銘板の樹脂セパとなっております。そちらは別途紹介しています(→こちら)